◆言語聴覚士ってどんな仕事?
言語聴覚士は、言葉や飲み込みに対しての悩みがある人たちを助ける専門家です。
例えば、脳卒中等の病気の後の言葉が上手く出なくなってしまう問題や聴覚障害、言葉の発達が遅れている子ども、声や発音の障害など、さまざまな問題に対応します。
言葉だけでなく、食べることや飲むことに関する問題も扱います。
言語聴覚士は、医師や歯科医の指示に基づいて問題を評価し、どのように対処すればいいかを見つけるために検査や評価を行います。
さらに、リハビリの目標や訓練プログラムを計画し、必要に応じて訓練や指導、アドバイス、その他のサポートを提供します。
例えば、失語症の場合、言語の機能を評価して問題を理解し、その人に合った訓練プログラムを作ります。
絵カードや文字カードを使って訓練することが一般的で、言葉の発達が遅れている場合には、発達段階に応じたサポートを行います。
発音の問題がある場合には、口の動きや正しい音を作る訓練を行います。
これらの活動は医師や歯科医、看護師、理学療法士、作業療法士などと協力して行われ、チームとして患者さんをサポートします。
対象は幅広く、子どもから高齢者まで様々な年齢層の人たちを支援します。
◆言語聴覚士になるには?
言語聴覚士になるには、国家試験に合格する必要があります。
高校卒業者は、指定された大学(3~4年制)や専修学校(3~4年制)に入学し、必要な知識と技能を身につけて卒業する必要があります。
一般の大学卒業者は、指定された大学や大学院の専攻科、または2年制の専修学校で必要な知識と技能を学び、卒業する必要があります。
一定基準の科目を修得している場合は、指定された学校で1年間の研修を受けて国家試験を受けることができます。
外国の大学で学んだ場合は、厚生労働大臣の認定を受けることで受験資格を得ることができます。
言語聴覚士の養成教育では、基礎科目や専門科目だけでなく、臨床実習も行います。
これにより、病院やリハビリテーションセンター、子どもの施設などで実践的な経験を積み、言語聴覚障害のある人をサポートするために必要な知識、技術、倫理を身につけます。
言語聴覚士には、単なる知識や技術だけでなく、言葉で意思を表現しにくい人たちの気持ちを理解し、引き出す能力が求められます。
◆言語聴覚士の働き方の特徴
言語聴覚士が働く場所は、おおよそ70%が病院で、他にも福祉施設、介護施設、学校などがあります。
働いている人たちの中で、女性が70%くらいで、年齢が40歳以下の人が75%ほどです。
病気やケガの時期には、病気が始まってから回復するまで、そしてその後も、言語聴覚士が関わって、質の高いサポートを提供することが大切となります。
幼い子どもや成長段階で支援が必要な場合は、文字や絵を使った練習や、身振り手振りを使った練習、吃音(きつおん)の場合には口の体操や言葉を練習するなど、いろいろな方法でサポートします。
また、保育園や学校を訪れて、家族へのサポートをしたり、施設の担当者にアドバイスをしたりもします。
社会が高齢化しているため、言語聴覚士の需要も増えており、2012年には2万人、2018年には3万人ほどになっています。
◆働いている人の数(就業者数)
26,930人
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
◆月に働いている時間(労働時間)
161時間
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆お給料(年収)
430.7万円
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆年齢
34.7歳
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆有効求人倍率
3.74
(令和4年度)