◆獣医ってどんな仕事?
ひとことで言うと、動物の健康や生命を守るお仕事です。
牛や馬、犬、猫、ハムスター、鳥、爬虫類などの動物を治療したり、人の健康にも関わるお仕事です。
「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」によると、
・犬の飼育頭数が約705万頭
・猫の飼育頭数は約883万頭
日本の15歳未満の人口は約1435万人ですから、子どもより多いんですよね。
ペットは家族の一員。
獣医師でなければ、飼育動物の治療を仕事にしてはいけないという決まりもあります。
獣医の仕事のなかには、たくさんの分野があり、「産業動物分野」では、肉や牛乳を作るための家畜の健康管理やワクチン接種などの伝染病の予防、品種改良などがあります。
「伴侶動物分野」では、ペット(犬や猫、小鳥など様々な家族)の病気の治療や飼い方のアドバイスを行います。しつけ指導を行うところもあります。
「公衆衛生分野」では、食品の安全性を守るための監視や検査、家畜伝染病の予防、海外からの侵入を防ぐ検疫業務があります。
「バイオメディカル分野」では、医薬品の開発や安全性試験、生命科学の研究が行われます。
「野生動物関係分野」では、野生動物の管理や保護、動物園での動物の飼育や繁殖、診療が行われています。
◆獣医になるには?
獣医師になるには、まず獣医学科のある大学に入学して6年間の獣医学の勉強をします。
そして、その後、獣医師国家試験に合格する必要があります。
合格したら、農林水産省に免許を取得する手続きをして、農林水産大臣から獣医師の免許をもらい、獣医師名簿に登録されると、獣医師としての仕事ができます。
国家公務員や地方公務員になりたい場合は、公務員試験と獣医師国家試験の双方に合格する必要があります。
一方、農業共済団体や企業などでは、それぞれ独自の試験があります。
臨床獣医師になるには、免許を取得してもすぐに独り立ちするのは難しく、経験を積む必要があります。
例えば、産業動物の場合は家畜診療所で先輩と一緒に働きながら経験を積み、小動物の場合は動物病院で研修医として働くことが一般的です。
◆獣医の働き方の特徴
公務員の場合、給与は国や自治体の規定に基づいて支給されます。
例えば、農業共済団体の家畜診療所で働く場合は、地方公務員と同じように給与がもらえますが、民間企業では給与の仕組みが様々で、初任給もばらつきがあります。
獣医師が個人で開業している場合、収入は様々となり、動物の診療費は各動物病院で独自に設定されており、自由診療料金制度が採用されています。
産業動物を診る開業獣医師の場合、農業災害補償法に基づく家畜共済保険制度があり、診療点数制度が採用されています。
ただし、それでも診療頭数や内容によって収入に差が生じます。
臨床獣医師は動物の診療を行うため、人間の医師と同様に昼も夜も休日にも飼い主の要望に応じなければならないことがあります。
特に産業動物の場合は長距離を移動して診療することもありますし、体重が数百キロもある動物を相手にすることもあるため、相当な体力が必要です。
最近では感染症の発生時には動物の確保や移動制限、場合によっては殺処分なども行うことになります。
また、災害時には避難所でペットの検診や治療などのサポートを行うなど、様々な場面で獣医師の役割が期待されています。
◆働いている人の数(就業者数)
24,680人
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
◆月に働いている時間(労働時間)
169時間
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆お給料(年収)
686.6万円
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆年齢
37.8歳
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆有効求人倍率
1.70倍
(令和4年度)
※求人倍率ってなに?