◆心理カウンセラーってどんな仕事?
心や対人関係に悩みを抱える人たちに、臨床心理学という知識を使って、カウンセリングを行いサポートをする仕事です。
臨床心理学は、聞きなじみがあまりない言葉かもしれませんが、心に悩みを抱える人々の問題を理解し、実際のサポートに役立つ専門的な知識や技術を学ぶ分野です。
カウンセリングの需要は日本でも年々高まっており、カウンセラーは医療、福祉、教育、企業、地域など、様々な分野で活躍しています。
例えば、医療機関や地方自治体の精神保健福祉センター、児童相談所などで働くカウンセラーは、主に精神科医の指示に従って、クライアントと対話を通じて信頼関係を築き、問題解決や症状の緩和をサポートします。場合によっては心理検査も行い、医療スタッフと情報共有を行います。
地域の精神保健福祉センターでは、地域住民の相談に応じるだけでなく、家族の相談にも対応することがあります。
児童相談所では、虐待や家庭内のトラブルから子供を保護し、心理的なケアを提供することもあります。
メンタルクリニックの心理カウンセラーは、予約状況を確認し、医師とクライアントの情報共有の打ち合わせを行ったり、メールや電話で相談に応じたりします。
面談予約のクライアントには、前回の状況を確認しながら、相談室で決まった時間のカウンセリングを行い、終了後は面談記録を作成します。
一日に複数のクライアントの相談を受けることがあり、翌日の準備や事務仕事も行います。
◆ 心理カウンセラーになるには?
カウンセリングに関わる仕事には、臨床心理士や公認心理師などの資格が必要で、ほとんどのカウンセラーはこれらの資格を持っています。
多くは大学で心理学を学び、臨床心理士は指定の大学院を修了する必要があります。公認心理師は国家資格で、2018年から試験が開始されました。
医療福祉分野では精神保健福祉士(PSW)も相談に応じることがあります。
仕事に入った後は、現場での経験が主で、先輩からの指導やSV(スーパーヴィジョン)という名の訓練を受けることもあります。
これはキャリアカウンセラーの領域でも同様で、担当したケースの意見をもらったり、アドバイスをもらったりします。
一人前のカウンセラーになるには、数年の臨床経験が必要で、独立やフリーランスとして活動する人もいます。
心理カウンセラーには、コミュニケーション能力やクライアントとの信頼関係を築くスキルが必要で、継続的な関わりやすさも求められます。
また、事務処理や相談者さんの情報を守る守秘義務の遵守、倫理規定の守りなど、高いプロフェッショナリズムが求められます。
◆ 心理カウンセラーの働き方の特徴
臨床心理士(カウンセラー)の働き先は、精神病院、総合病院の心療内科、メンタルクリニック、地方自治体の精神保健福祉センター、児童相談所など全国に広がっています。
女性のカウンセラーが現在は多く、幅広い年齢層がいます。
雇用の形態は、病院に所属しているカウンセラーは常勤がいる一方で、非常勤の場合も多くいます。
給与は、常勤の場合は月給が一般的で、非常勤の場合は時給や日給制度が一般的となり、複数の場所で働くこともあり個人差があります。
働き方は、クライアントの利便性を考えて、夜間や土日に働く場合もあります。
最近では電話やインターネットを使ったカウンセリングも増えており、外国語でのカウンセリングニーズも高まっています。
◆働いている人の数(就業者数)
163,750人
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
◆月に働いている時間(労働時間)
162時間
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆お給料(年収)
443.3万円
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆年齢
39歳
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆有効求人倍率
1.69倍
(令和4年度)
※求人倍率ってなに?