業界/職種研究

職業紹介:犬の訓練士

◆犬の訓練士ってどんな仕事?

しつけや訓練を通して特性を伸ばし、人の生活や安全のサポートができるワンちゃんを育てる仕事です。

犬は様々な職務において重要な役割を果たしています。
例えば、警察犬、盲導犬、災害救助犬、麻薬捜査犬、そしてセキュリティ上の用途でのガードマンの代わりとしての役割もあります。
人間にはできない特殊な能力や性格を活かすべく、専門的かつ徹底的な訓練を受けています。

犬のしつけは様々な形態があり、訓練所での集中訓練や、飼い主の元に出張しての訓練が一般的です。
基本的なしつけの訓練から始まり、それに加えて専門的な仕事に必要な技能を磨くための高度な訓練が施されます。

例えば、警察犬はにおいの選別や足跡追跡といった特殊能力の習得を重点的に覚えてもらい、犯罪の捜査や施設の警護などに投入されます。

盲導犬の場合は、ラブラドルレトリーバーなどが選ばれ、生後12ヶ月頃から訓練が始まります。視覚障害者を誘導するための複雑なスキルを身につけ、最終的には視覚障害者との共同訓練を経て、毎日の生活がより豊かになるようにサポートをします。

その他にも、災害救助犬や麻薬捜査犬は、それぞれの任務に特有のスキルを身につけるための訓練が施されます。

また、介助犬や聴導犬など、身体的な制約を持つ人々の生活を支援するための犬たちも存在し、これに伴い犬訓練士の需要は拡大しています。

訓練期間中は、犬の健康管理や日常的な世話も欠かせません。
飼い主には犬の状態や訓練の進捗、飼い方などについての指導が行われます。

犬の訓練技術は、実践的な評価の場として、嘱託警察犬の審査や各種訓練競技会が挙げられます。
これらの試験やイベントにおいて高いパフォーマンスを発揮することは、訓練士のスキルを客観的に評価する重要な手段となっています。

◆犬の訓練士になるには?

犬の訓練士になるには、試験に合格して訓練士の資格を取る必要があります。

たとえば、日本警察犬協会やジャパンケネルクラブ、日本シェパード犬登録協会、日本盲導犬協会、日本聴導犬協会が試験を実施しています。

最初は見習いとして訓練所に入り、技術を身につけます。訓練士の資格を取得したら、訓練士として訓練所で働くか、独立・開業することもできます。

盲導犬訓練士は、国家公安委員会が指定する訓練施設で研修を受け、その後、盲導犬訓練施設に採用される必要があります。

聴導犬訓練士や介助犬訓練士も同様で、指定訓練施設での研修と、その後の訓練施設への採用が必要です。

ただ犬が好きというだけでは出来る仕事ではなく、犬に指示通りに動いてもらうためのスキルや根気、飼い犬を預かる責任感、そして一定の体力が求められます。

◆犬の訓練士の働き方の特徴

住み込みで働く訓練士もいます。

訓練士には、住み込みで修行する見習い訓練士、住み込みの訓練士、自分の訓練所を持つ訓練士、訓練所はないけれども出張訓練を行う独立した訓練士の4つのタイプがいます。

訓練所は通常、年中無休で、休みの日は交代で担当することが一般的です。
展示会や競技会は主に日曜日に行われることが多いです。

◆働いている人の数(就業者数)

309,100人
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)

◆月に働いている時間(労働時間)

167時間
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆お給料(年収)

579.8万円
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆年齢

42歳
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆有効求人倍率

0.48倍
(令和4年度)
※求人倍率ってなに?