◆弁護士ってどんな仕事?
弁護士は法律の専門家で、さまざまな問題を解決するお仕事です。
ドラマなんかでも取り上げられることが多く、憧れたことのある人も多いかもしれません。
弁護士は社会の中にあるたくさんのトラブルに対し、依頼者の利益を守るために民事事件や刑事事件に関わり、トラブルを解決するべく弁護をします。
民事事件ですと、個人同士のトラブルを中心に、お金や不動産の貸し借りや、払われないバイト代、離婚や家の相続問題、事故などの争いも含まれます。
刑事事件は、みなさんがイメージしやすい犯罪に関わる事件で、国のルールを破った人に対しての問題を解決します。
弁護士の仕事は、こういった事件に対し、依頼者の利益を守るために法律を使って争いを解決することです。具体的には、法律相談を受けたり、実際に裁判を進めたり、和解(互いに譲り合って解決)の交渉を行ったりします。
刑事事件では、特に大切なこととして、人々が犯罪を犯したと思っていても、本当はそうでないこともあり得ます。
だからこそ、弁護士は訴えられている人の権利を守り、無罪の可能性を追求していきます。また、刑罰が過度に厳しい場合や手続きが違法な場合にも、弁護士は正当な手続きを求める役割を果たしています。
国際化が進む今、法律問題も国境を越えることがあり、弁護士は国際的な契約や紛争、人権問題にも関わりますし、海外で働く企業のサポートや、異なる国の法律を理解して解決策を提案することもあります。
弁護士は、社会の正義を実現し、人権を守る使命を持っています。法廷での活動や紛争の予防、人権を守る活動、法律をよりよくするための活動など、さまざまな分野で活動し、社会正義と人権の実現につながっています。
子どもたちの権利を守るために活動し、いじめや体罰、親子関係をテーマに活動している相談窓口もあります。
電話やインターネットで相談予約ができるところもあります。
◆弁護士になるには?
弁護士になるためには、司法試験に合格し、司法修習を受ける必要があります。
多くの方は、最初に法科大学院に入学し、法律を深く学びます。
法律を初めて学ぶ人は3年間のコース、既に基礎知識を持っているコースでは2年間勉強したうえで、司法試験に挑戦をしていきます。
司法試験は非常に難しい試験で、合格するためには多くの勉強が必要です。医師の試験や公認会計士の試験と比較をされるケースが多いです。
短答式と論文式の司法試験に合格したら、司法修習生として研修を受けます。これは実務を学ぶ期間で、実際に裁判所や法律事務所などで働きながら実務経験を積みます。
その後、日本弁護士連合会の審査を経て、弁護士名簿に登録され、正式に弁護士として活動できるようになります。
新人の弁護士は、法律事務所で働きながら先輩の指導を受けながら勉強していきます。
法科大学院は、新しい法曹養成制度の中心的な部分で、多様な経験や能力を持った弁護士を育てる役割を果たしていますが、志願者が少なくなったり、法科大学院ごとに教育の質に差がある課題もあります。
◆弁護士の働き方の特徴
弁護士は主に法律事務所に所属をし、民事事件や刑事事件など、法的な問題を解決するために活動しています。
ただし、最近では企業や国や地方の政府機関、国際機関などでも働く弁護士が増えていますし、国会議員や地方議会議員として政治にも関わる弁護士もいます。
弁護士が働く場所や状況にはいくつかのパターンがあります。
法律事務所に勤める弁護士は、事件ごとに法廷に出たり、書類を準備したりする仕事をしています。
1つの事件に対しても十分な準備が必要で、法廷に出るだけでなく、書類の作成なども時間を要します。
依頼者や被疑者と話すために休日や夜遅くにも出かけることがあり一方で、仕事の時間や休日は自分で決めることができますし、定年もありません。だからこそ、自分のペースで仕事の量や内容を調整できる弁護士も多いです。
ほかにも、企業や政府機関、国際機関に所属して法的なアドバイスを提供する弁護士もいますし、自分で弁護士事務所を立ち上げて独立する弁護士もいます。
弁護士の中には女性も多く、全体の18%ほどを占めています。弁護士として、専門的な法律の知識を使いながら、様々な働き方や職場を選ぶことができ、幅広い分野で活躍することができます。
◆働いている人の数(就業者数)
33,710人
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
◆月に働いている時間(労働時間)
155時間
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆お給料(年収)
971.4万円
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆年齢
47.2歳
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
◆有効求人倍率
0.93倍
(令和4年度)