業界/職種研究

職業紹介:作業療法士

◆作業療法士ってどんな仕事?

作業療法士は、体や心に問題のある人たちが普通の生活に戻れるように、食事や歯みがきなどの日常の動作や、家事、芸術、遊び、スポーツなどを使って訓練や指導をします。この仕事では、OT(Occupational Therapist)とも呼ばれています。

作業療法士は、病院では患者と話をして情報を集めたり、訪問介護の場合は直接患者にヒアリングを行ったりします。身体の動きや考える力、日常の動作の能力などを観察し、患者の問題を見つけ出します。

その結果をもとに、患者ごとに目標を立て、具体的なプログラムを組んで作業療法を行います。病院では医師や看護師、理学療法士などと協力して、リハビリテーションチームを組んでいます。

身体の障害や精神の問題、発達の遅れや高齢による問題など、様々な障害に対応して、患者に合ったトレーニング目標や方法を考え、指導を行います。

◆作業療法士になるには?

作業療法士になるには、国家試験に合格して免許を取得する必要があります。高校卒業後、指定の大学や短大、養成施設で3年以上学んで卒業し、必要な知識や技能を身につけると受験資格が得られます。

仕事に就いた後も、作業療法に関する研修や講習会があり、高度な専門知識と技術を身につけることができます。作業療法では、さまざまな作業や遊び、玩具、道具、機器を使って訓練や指導を行います。障害のある人々やその家族とのコミュニケーションも大切で、理解力や説得力、プログラム作りの工夫が必要です。

就職は、養成校の紹介や求人情報を探すことが一般的です。また、日本作業療法士協会が認定する資格として、認定作業療法士や専門作業療法士があります。

◆作業療法士の働き方の特徴

作業療法士は、障害者の施設や障害のある子供たちが通う場所、老人の保健施設、家庭を訪れる介護事業所、保健所などで働きます。

基本的に、給与や働く時間、休みの条件などは、他の医療の仕事をしている人たちと同じです。

通常は早朝や夜勤がないですが、病院や施設によっては夜通しで働く場合もあります。

作業は主に作業療法室と呼ばれる部屋で行いますが、屋外等で行うこともあります。

国家試験に合格すると、年に約5,000人ほどが作業療法士になります。女性も多い職業ではあり、一度退職しても再就職することができたり、非常勤で働くケースもあります。

高齢者が増える中、リハビリテーションの大切さが増しており、作業療法士の需要も年々増えています。

病院や施設だけでなく、地域の福祉センターでも活躍の場が広がっていますが、まだまだ人手が足りない状況です。

◆働いている人の数(就業者数)

202,540人
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)

◆月に働いている時間(労働時間)

161時間
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆お給料(年収)

430.7万円
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆年齢

34.7歳
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆有効求人倍率

4.1倍
(令和4年度)