業界/職種研究

職業紹介:キャリアコンサルタント

◆キャリアコンサルタントってどんな仕事?

「働く」ことに対して相談にのることで、相談した人がより良い人生を送り、望む生き方を実現できるようにサポートするお仕事です。

相談者さんの仕事の選び方、どのような働き方をするか、職業能力の開発・向上に関する相談にのり、アドバイスを行い、相談者さんがより良い人生を送り、自分が望む生き方を実現できるよう、専門家として支援します。

働いている時間は、人生の中でも非常に大きな部分を占めていて、どんな仕事を選ぶか、また、どんな働き方をするかはその人の人生に大きな影響を及ぼす大事なことです。仮に正社員として働くのであれば、1日8時間、つまり寝ている時間も含めれば1日の1/3の時間を費やしますね。

幸せに働くことは、幸せに生きることに直結するという考えも納得です。

キャリアコンサルタントは、相談者さんが初めて職業を選択するときはもちろん、職業や働き方を変える場合(転職や形態の変化)など、職業キャリアの様々な場面において、適切な職業の選択やキャリア形成ができるよう支援します。

そのために、相談者さん自身の自己理解を応援したり、職務経歴やツールを用いて相談者さんの特性や考え方を整理し、相談者さんの問題を把握します。

把握ができたら、その意思決定に必要とされる職業やキャリアの情報、能力開発などについての情報を提供し、仕事理解を深めるように面談を進めていきます。

最終的には、相談者さんが納得のいく意思決定ができるよう、求人探索・応募ができるよう支援していきます。

場合によっては、相談者さんを取り巻く組織、社会、家族などが相談者さんのキャリア形成にどのように関わるかを考え、必要に応じて周囲に働きかける役割も担っています。

相談では、一対一の対面相談のほか、グループを対象としたファシリテーションを行うこともあり、相談者さんのジョブカード作成の支援も重要な仕事です。最近はオンラインでの面談が主流になっていますね。

◆キャリアアドバイザーとのちがいは?

ちょっとこむずかしい話!

キャリアコンサルタントは、2016年に職業能力開発促進法という法律によって国家資格となっています。

この資格を持っていて、国が指定した登録機関に登録していなければ、キャリアコンサルタントと名乗ることはできません。(名称独占資格といいます)

継続して資格を持ち続けるためには、5年ごとに資格の更新をする必要もあります。

キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントは、業務内容に大きな違いはありませんが、質の担保として、資格の有無を確認する人もいます!

資格がなくても面談が上手な方は本当に上手ですね!

◆キャリアコンサルタントになるには?

キャリアコンサルタントは、職業選択や生き方について相談を受け、助言や指導を行う専門家です。特に学歴や資格は入職には必要ありませんが、「キャリアコンサルタント」と名乗るには国家資格が必要です。

キャリアコンサルタント試験か、キャリアコンサルティング技能検定(1級又は2級)に合格して(お金も払って)名簿に登録することで、キャリアコンサルタントと名乗ることができます。

キャリアコンサルタント試験を受けるには、実務経験が3年以上か、キャリアコンサルタントの養成講習を修了する必要があります。また、合格後も5年ごとに講習を受け、更新しなければなりません。

キャリアコンサルティング技能検定の2級を受けるには、3年以上の実務経験が必要であり、1級を取得するには2級取得後にさらに3年以上の実務経験が必要です。(他にも要件が色々ありますが)

キャリアコンサルタントは、相談者さんに対して適切なアドバイスをするために、労働市場の情報や労働関係の制度、能力をより向上させる方法など、多様な知識が求められます。

キャリアコンサルタントの仕事は、職業選択という人生の重要な決定を支援するものであり、相談者さんに寄り添い、常に適切なアドバイスを提供するためには、自らも学び続ける姿勢や間違ったことを避けるような倫理意識が欠かせません。

◆キャリアコンサルタントの働き方の特徴

キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントは、ハローワークや民間職業紹介会社、人材派遣会社、企業の人事部門、学校など、さまざまな場所で働いています。

組織に所属している場合は、給与や労働時間は勤務先の規定に従いますが、経験を積んだ後、フリーランスのキャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントとして活動する人もいます。

フリーランスとして活動する場合には、企業と年間契約を結ぶこともあります。

キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントの仕事は、一般の求職者や学生だけでなく、就職が困難な若年層、高齢者、育児や介護の制約がある人など、様々な社会的なニーズに応えることもあります。

彼らは個別の相談を行うだけでなく、セミナーや講習などで講師としても活躍しています。

自分の専門知識を広めることや他の人々に役立つ情報を提供することもキャリアコンサルトに求められている仕事の一部です。

◆働いている人の数(就業者数)

・国家資格キャリアコンサルタント
68,602人
2023年6月時点

・キャリアコンサルティング技能士2級
11,173人
2023年3月時点

・キャリアコンサルティング技能士1級
621人
2023年3月時点

◆月に働いている時間(労働時間)

167時間
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆お給料(年収)

579.8万円
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆年齢

42歳
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)

◆有効求人倍率

0.16倍
令和4年度