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職業紹介:幼稚園の先生

◆幼稚園の先生ってどんなお仕事?

幼稚園では、3歳から小学校に入る前の子どもたちの心と身体が成長するように教育を行います。遊びや運動を通して、子どもたちがたくさんの可能性を伸ばしていくための先生です。

子どもたちがお家以外での集団生活をしていく中で、生活習慣や友達との付き合い方を身につける場としてとても重要なお仕事です。

幼稚園は学校教育法に基づく「学校」であり、義務教育や将来の学習の基礎を築くために、幼児の保育と指導を行います。

幼稚園では、毎朝、子どもたちが登園すると声をかけて様子を観察し、健康状態を確認します。その後、砂場や積み木、ままごと道具などの環境を整え、子どもたちが積極的に活動できるようにサポートしながら指導を行います。

指導の内容としては、「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」などに関する力を身につけられるように関わっていきます。

幼稚園では、教科ごとに分けることなく、生活や遊びを通して総合的に子どもたちを指導していくことで、子どもたちが自分自身を表現し、言葉を使い、周囲の環境に慣れたり他の人と関わったりする力を育てます。

効果的に伝えていくために、週や日ごとに計画を作成し、その計画に基づいて教育を行います。また、入園式や運動会、卒園式などの行事もたくさんあるので、長期的な指導計画も立てます。指導の記録を取ったり、教材の研究や研修会・職員会議への参加も重要な仕事になりますす。

◆保育士とのちがいは?

ちがいがわかりづらい幼稚園の先生と保育士さんの違いについてです!

  1. 必要な資格:幼稚園の先生は、大学や短期大学の幼児教育・保育系学科を卒業し、幼稚園教諭免許を取得する必要があります。一方、保育士は専門学校や短期大学、大学の保育系学科を卒業し、保育士資格を取得することが一般的です。
  2. 役割や仕事内容: 幼稚園の先生は、幼稚園での教育を中心に担当し、学習指導や教科教育を行います。一方、保育士は保育施設で保育を中心に担当し、子どもたちの生活や遊びを通じた保育を中心に行います。
  3. 教育方法: 幼稚園の先生は、教室での集団指導や個別の学習支援、遊びや体操などの活動を通じて幼児の成長を促します。保育士は、子どもたちが安心して生活し、自由に遊びながら成長できるような環境づくりや、日常のケアや関わりを通じて子どもの発達を支援します。
  4. どこで働くか: 幼稚園の先生は、主に幼稚園や学校。保育士は、保育所をはじめとする幼児教育施設や児童福祉施設、医療機関など、さまざまな職場で働くことが多いです。

これらは一般的な違いですが、地域や施設によって異なる場合もあります。重要な点としては、幼稚園教諭と保育士は、子どもたちの成長と発達をサポートする役割を果たしているという共通点があることです。

◆幼稚園の先生になるには?

幼稚園の先生になるためには、幼稚園教諭の免許が必要です。

まずは幼稚園教員の免許状を取得した上で、採用試験に合格することが必要になります!

免許には1種、2種、専修免許の3種類がありますが、初任給などで差はあるものの仕事の内容は一緒です。

1種免許は、幼稚園教諭の養成課程がある大学で学び、2種免許は短期大学などで学んだ後に取得できます。

専修免許は、大学院で修士課程を経て取得することができます。また、保育士の免許を持っていて一定の実務経験がある場合は、試験に合格することで2種免許を取得できます。

ちなみに教員免許状の有効期限は10年。仕事を続ける場合は30時間以上の更新講習を受ける必要があります。

幼稚園の採用試験は、公立幼稚園と私立幼稚園では異なる方法で行われます。

公立幼稚園では、学校の先生と同じように都道府県の教育委員会が採用試験を行います。私立幼稚園では、各幼稚園が独自に選考を行い、採用していきます。

幼稚園の先生に求められる資質としては、まず子どもが好きであることが重要です。そして、幼児の成長や学習に関する知識や技術も必要です。注意力や観察力を持って、子どもたちの健康状態などを見極めることや、病気や事故に対して応急処置ができることも重要です。

また、子どもたちは元気に動き回るので、先生もそれに対応できる体力が求められます。子どもたちと一緒に遊んだり、動き回ったりすることが日常的な仕事です。

◆幼稚園の先生の働き方の特徴

幼稚園の先生たちは、通常は1日に4時間の時間帯で園児を預かりますが、もっと遅い時間まで子どもたちを預かる、預かり保育を行う場合もあります。

園児たちが帰った後は、指導計画の作成や教材や教具の準備、研究会や職員会議などの業務を行います。休憩時間は、園児たちが帰った後に取ることが一般的です。

一般的な働き方としては週に40時間勤務で、多くの幼稚園では土日祝休みです。

ただし、土曜日や日曜日に行事がある場合は、その代わりに別の日に休みを取ることができます。また、夏休みや冬休みなどの長期のお休みもあり、その期間は比較的長い休暇を取ることができます。

お給料は公立の幼稚園で働く場合は、教育公務員としての待遇を受けますが、私立の幼稚園で働く場合は、給与や労働条件は園によって異なります。

最近では、就学前の子どもたちに対して幼児教育と保育を一体的に行う「幼保一体型認定こども園」が設置されています。

この場合、保育士の資格を持ちながら幼稚園の先生として働くケースも増えてきています。

ほとんどが女性で、約9割を占めています。

◆働いている人の数(就業者数)

143,310人

◆月に働いている時間(労働時間)

171時間

◆お給料(年収)

399.5万円

◆年齢

37.5歳

◆有効求人倍率

2.64倍

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